空耳此方-ソラミミコナタ-

たから島


時間は昼時。
三人の腹の虫も騒ぎ出していた。しかしこの場の土地勘を一切持たない三人。

やたらに店を探すより、花守荘に戻ることを選択した。
案内にそって行った宿の食堂では、宿泊客と見られる数人がそれぞれテーブルに座っていた。

食堂に入ると、羽田の大きな声が三人を迎えた。


「やあ、君たち!ちょうど良かったよ!
さっき出てくときにここ以外に食事処はないって言うの忘れちゃったからさ、連絡のしようもないしどうしようか迷ってたんだよ」

「………」


どうやら選択は間違っていなかったようだ。
一食抜かさずにすむことを安堵する。


カウンターから食事を受け取り、テーブルについた。


「さて、俺らもシンキングタイムと行きますかっ!」

炯斗が、壁の文字を写したメモを三つのトレイの真ん中に置いた。

それに頭を寄せる三人。三秒と経たないうちに炯斗が体を戻しスプーンをとった。


「で?どう?俺さっぱりなんだけど」


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