空耳此方-ソラミミコナタ-

【高橋さん、克己さんの死因や何かはもうわかったんですか?】

「え…いや。もうすぐ報告が来るはずだよ。 火事の担当と谷の担当とわかれて」

ちょうど高橋の胸ポケットにある携帯電話が震えた。
すぐさま通話ボタンを押す。


「はい高橋……」

耳は携帯に意識をしながら高橋が三人に向かって口パクで言った。

(君たちのお待ちかねだよ)

小さく歓声を上げる三人。
しかし高橋の表情は険しくなって行った。




「で!? どうだったんだ!?」

「…厄介だよ……」

高橋はガックリとして、一気に老け込んだように見える。
そして重苦しい声で告げた。


「死因は落下によるショック死。落ちた衝撃で遺体は酷い状態。10m超の高さから落とされたようだ。
身体中に何かで縛られたような跡があるそうだ。現場は目下その縛ってたものを捜索中だ」


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