空耳此方-ソラミミコナタ-

成瀬 郁美
ボブ程度の髪の毛は黒く、かかる前髪からはくりくりとよく動く目が覗いている。
身長も高く朋恵と並ぶといい絵になる。

性格は朋恵と違い若干おおらかだ。
その性格故か言い寄る者が多かった為か、やたらとスルースキルが高い。

その点を入れると、あっさりした性格と言った方が正しいだろうか。


郁美には高校ではスルースキルに甘えてしょっちゅう愚痴をこぼしたものだ。

その郁美が、別にいいじゃないかと言う。

「あんたね、一般人を捜査に入れられる訳ないでしょう?」

「私はいつも入れてくれるじゃん」

「それは仕事上だからでしょ! 今回はあんただって入れないわよ!」

「えー」

口を尖らせる郁美。
しかしここは譲る訳にはいかない。
そこに炯斗が乱入して来た。

「郁美さんの仕事って?」

「弁護士やってるよ」

「うわぉ、マジか!」

炯斗は目を丸くした。
それならば、現場に入れるというのも納得がいく。

< 182 / 374 >

この作品をシェア

pagetop