空耳此方-ソラミミコナタ-
成瀬 郁美
ボブ程度の髪の毛は黒く、かかる前髪からはくりくりとよく動く目が覗いている。
身長も高く朋恵と並ぶといい絵になる。
性格は朋恵と違い若干おおらかだ。
その性格故か言い寄る者が多かった為か、やたらとスルースキルが高い。
その点を入れると、あっさりした性格と言った方が正しいだろうか。
郁美には高校ではスルースキルに甘えてしょっちゅう愚痴をこぼしたものだ。
その郁美が、別にいいじゃないかと言う。
「あんたね、一般人を捜査に入れられる訳ないでしょう?」
「私はいつも入れてくれるじゃん」
「それは仕事上だからでしょ! 今回はあんただって入れないわよ!」
「えー」
口を尖らせる郁美。
しかしここは譲る訳にはいかない。
そこに炯斗が乱入して来た。
「郁美さんの仕事って?」
「弁護士やってるよ」
「うわぉ、マジか!」
炯斗は目を丸くした。
それならば、現場に入れるというのも納得がいく。