空耳此方-ソラミミコナタ-
透が気だるそうに薄目を開くと、外はもうすっかり暗くなっていた。
「……ぁ…?」
「透くん! 大丈夫?」
「……俺、どうなった?」
「木の根っこに躓いて転がり落ちたのよ。落ちた先が砂浜でよかったわね」
言われて見れば、大きなケガは無いようだ。
「全く……ちょっとずれていたら崖から海に落ちてたんだから…」
そう言ってフイと顔を背けた玲子の目が赤く見えた。
透は居心地の悪い思いで苦笑した。
「ともかく、俺は無事だから帰ろうか」
二人は小さく頷いて立ち上がる。
透も続こうとしたその時、足に電流のような痛みが走った。
「…って!」
「透くん!?」
よろけた透を克己が脇の辺りに入って支える。
歯を食いしばり、視線を落とすと、左右で足首の太さが違っていた。
「ちょっと待ってくれ」
克己を支えに座り、靴を脱いで見せると、左足がひどく腫れていた。
「……ぁ…?」
「透くん! 大丈夫?」
「……俺、どうなった?」
「木の根っこに躓いて転がり落ちたのよ。落ちた先が砂浜でよかったわね」
言われて見れば、大きなケガは無いようだ。
「全く……ちょっとずれていたら崖から海に落ちてたんだから…」
そう言ってフイと顔を背けた玲子の目が赤く見えた。
透は居心地の悪い思いで苦笑した。
「ともかく、俺は無事だから帰ろうか」
二人は小さく頷いて立ち上がる。
透も続こうとしたその時、足に電流のような痛みが走った。
「…って!」
「透くん!?」
よろけた透を克己が脇の辺りに入って支える。
歯を食いしばり、視線を落とすと、左右で足首の太さが違っていた。
「ちょっと待ってくれ」
克己を支えに座り、靴を脱いで見せると、左足がひどく腫れていた。