空耳此方-ソラミミコナタ-
人の賑わう駅前通り。
待ち合わせによく使われる、名物の像の前のベンチ。

そこに1人、女の子が座っている。


少し遠くから、彼女を見つめる2つの影があった。

「なぁ、本当にやんの?」

そのうちのひとつ、長身の影が囁く。

「もちろんさ!
じゃなかったらここまでした意味がないだろう?」

対照的に丸く太った影が鼻息も荒く反論する。
その全く引きそうにもない相方を見て、長身の方はため息をついた。


「俺やりたくないんだけど…」


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