空耳此方-ソラミミコナタ-
炯斗は観念したようにフッと笑った。
「まあね。でも、ソースは言えない。多分、信じてもらえないから」
「別に、もうこれ以上首を突っ込むな、とか言わないわよ」
「え?」
信じられない思いで、炯斗は顔を上げた。
フン、と顔を背け朋恵は自嘲気味に笑う。
「私が言ったって聞かないし、高橋のお許しも出てるし。ここまで鮮やかに活躍されちゃったらね」
「朋恵? 素直に認めてるって言えばいいのに」
「ちち、違うわよ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴ると、耳を塞ぎながら郁美は楽しそうに笑った。
コホン、と咳払いをして朋恵は炯斗に直る。
「議員で叩かれ、会社は潰れ、安息と思ったら殺されるなんて災難続きの人生がちゃんと解決して報われれば、それでいいわよ」
ん?
朋恵は、炯斗の隣を過ぎ去ろうと歩きだす。
「待ってともちー!! 今なんつった?」
「は? ちゃんと解決して…」
「その前!!」
炯斗の剣幕に、仰け反りつつ、変なこと言ったかなと目を泳がせる。
「克己さんの会社が潰れたって?」
「ああ、そっちのこと」
朋恵がポン、と手を叩く横で郁美が口を開いた。
「まあね。でも、ソースは言えない。多分、信じてもらえないから」
「別に、もうこれ以上首を突っ込むな、とか言わないわよ」
「え?」
信じられない思いで、炯斗は顔を上げた。
フン、と顔を背け朋恵は自嘲気味に笑う。
「私が言ったって聞かないし、高橋のお許しも出てるし。ここまで鮮やかに活躍されちゃったらね」
「朋恵? 素直に認めてるって言えばいいのに」
「ちち、違うわよ!!」
顔を真っ赤にして怒鳴ると、耳を塞ぎながら郁美は楽しそうに笑った。
コホン、と咳払いをして朋恵は炯斗に直る。
「議員で叩かれ、会社は潰れ、安息と思ったら殺されるなんて災難続きの人生がちゃんと解決して報われれば、それでいいわよ」
ん?
朋恵は、炯斗の隣を過ぎ去ろうと歩きだす。
「待ってともちー!! 今なんつった?」
「は? ちゃんと解決して…」
「その前!!」
炯斗の剣幕に、仰け反りつつ、変なこと言ったかなと目を泳がせる。
「克己さんの会社が潰れたって?」
「ああ、そっちのこと」
朋恵がポン、と手を叩く横で郁美が口を開いた。