空耳此方-ソラミミコナタ-

炯斗は自分の頭の中でも整理しながら、慎重に言葉を選ぶ。

「まず、借金にまみれた元社長秘書の高山とそれに協力した飯塚。この二人が横領の犯人だ。

それで……二人の間でトラブルが起きた。恐らく、高山は飯塚に脅されたんだと思う。

で、飯塚は自分に都合のいいこと…この場合は島の権利だな…それを手柄にするために高山を使って玲子さんを殺害した」

「待って、何で飯塚は自分でやらなかったの?」

「見つかって捕まったら終わるだろ。実際に高山が目撃されてんだ。高山が実行犯さ。

それで高山は金を受け取って逃走。
残念ながら数年後に横領がバレて飯塚は捕まってる」


金に困っていた高山は金についてうるさかったに違いない。
そして、それについての噂がアズサに向いてしまい、アズサが金の為にやったという誤解が生まれてしまい、透のような人物に伝わってしまった。

それが、15年前の事件の全容。

「これで昔のは解決…かな?」


恐る恐る周りを見つめると、皆考えるようにうつむいていた。


「あのー……もしもし? 何か反応くんね?」

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