空耳此方-ソラミミコナタ-
「さてと。全部終わったし帰ろうぜ!!」
「少ないフェリーに乗らないとね! もう1日いなきゃならなくなるよ!」
「それは嫌だ! 服、鬼のローテーションでボロになっちまう!」
【急ぎましょうか】
三人は見えた花守荘に向かって走りだした。
「コラ!! 老体を置いて走るな!」
「じいちゃんは十分元気だろ!!」
「貴様にじいちゃんと呼ばれる筋合いはない!」
そう言って、人一倍頑丈な透も三人を追いかける。
そうして――非日常は終わりを告げ、日常へ帰っていく。
またいつか人ならざるモノが彼らを誘うまで――
空耳此方-ソラミミコナタ- 【完】