空耳此方-ソラミミコナタ-
また取っ組み合う二人の間に言乃が入る。

【あの二人ともやめ】

その時、どちらかの手が払われ言乃の携帯にあたり飛んで行った。

「あっ!」

三人、携帯の飛ぶ行方を見つめる。

「!?」

炯斗は素早くトンネルの方を振り返る。

「どうかしたのか?」

「いや…何でもない」

炯斗は困惑した表情で宇佐目の問いに答えた。

おっかしいな…

炯斗は尚も首を捻る。
視界の端に、何かが通ったような気がしたのだが。

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