空耳此方-ソラミミコナタ-
コホン、と宇佐目が咳払いする。
と、全員の視線が彼へ集まる。
「とにかく!あれが反射なもんか!」
【何故です?】
言乃が拾った携帯を見せる。
それが嬉しかったのか宇佐目少し声を張り上げて言った。
「だって、トラックは曲がる様子なんて少しもなかった!
僕が出てきたとたんに来た!絶対に僕を狙ったんだ!」
指を運転手に向けて言う宇佐目。
「これをさっきから言ってきかないのよね」
「はぁ…なぁる。
おい年下オッサン、略してトシオ!」
「ととトシオッ?!」