空耳此方-ソラミミコナタ-
「は…?」
なんだよ、なんなんだよ?
宇佐目は炯斗から一歩後ずさる。
すると言乃は朋恵の肩を叩いて携帯の画面を見せ、朋恵が頷くや否や炯斗の前に立つ。
【帰りましょう】
「は?何で!?」
いいから、と言わんばかりに言乃は炯斗の腕を掴み、連れて行った。
遠ざかる二人を見て宇佐目がポツリとしみじみに言った。
「ことのんと腕組み…いいなぁ」
「アンタ、気持ち悪い」
「ぐぅっ!」
地面にまさにorzの形に項垂れた宇佐目を放置し、朋恵も運転手の話を聞きに行った。