空耳此方-ソラミミコナタ-
「ともちータイミング悪い!」
炯斗が言うと朋恵は高いヒールで炯斗の足を踏む。
「い痛い!痛いってほらぁ!」
「変なアダ名つけるな!」
「ごめんなさいごめんなさい!」
「次何かしたら地面に這いつくばらせるわよ」
さっと炯斗の顔から血の気が引き、踏まれた足を上げた片足飛びで朋恵から離れた。
フン、と鼻を鳴らすと、朋恵は言乃を見る。
そして不敵に微笑んだ。
「じゃあ聞かせてもらおうじゃない?この事故の真相を」