空耳此方-ソラミミコナタ-
【まず、ここの住宅地は夜遅くになるとほとんど車の通りがありません。
ですから、自然とその時間に通る時は普段よりもスピードが出るんです。
そうして走っている時に、突然前方で光がちらついたら?】
「まぁ車が来たと思ってスピード落とすわな」
炯斗がいうと、言乃は頷いた。
【通常はそうでしょう。
しかし、その運転手は恐らく日頃からこの道を走っていたのです。
慣れてくれば車が全く来ないと知り、更に結構なスピードで走っていた時に来たら?】
「もう急ブレーキは効かないも同然ね」