空耳此方-ソラミミコナタ-

それを聞いた朋恵は口を真一文字に結ぶ。
そして勢いよく足を打ち付けた。

「いだぁっ!」

炯斗の足に。

「交通課に要注意だってチクってやるわ!」

「その前に俺に八つ当たりしないでくんね?!」

炯斗は足を抑え、ピョンピョン跳ねながら涙声で言った。

「さ、じゃあ次は昨日の事故の説明をお願いするわ」

「無視かよッ!」

「黙んなさい!」

朋恵に一喝され炯斗はきゃーと言乃の背中に逃げ込む。


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