空耳此方-ソラミミコナタ-
逝かざる魂
そして朋恵は呆れ笑いながら車で帰って行った。
車が見えなくなるまで手をふり見送った後、炯斗はおもむろに口を開いた。
「なぁ、ことのん。俺には本当のこと教えてくんね?」
【何のことです?】
「二件目の事件、俺たちが質問したことさ」
言乃は一瞬はっとして、眉をひそめた。
「悪いけどあの理由じゃまだ弱い。
ともちーも多分納得してない。 けど、これ以上何も聞けないて思ったから素直に帰ったんだ」
言乃の顔から表情が消えた。