空耳此方-ソラミミコナタ-
少し躊躇って絞り出すように呟く。
「そんな…だって、私の声はっ」
「聞こえてるよ、ちゃんと」
炯斗が言乃の肩を抱くと、言乃は手を振り払い激しく言った。
「おかしいですッ!普通の人間には聞こえないはずなのに!
今まで…誰一人、」
「わかんね」
炯斗はあっけらかんと言った。
「何でかなんてわかんないさ。でもさ、いいんじゃね?何となく聞こえてもさ」
言乃は「はい?」といった顔で炯斗を見つめ、ゆっくり背筋を伸ばす。
そして、明るい笑顔で
「はい」
と言った。
「そんな…だって、私の声はっ」
「聞こえてるよ、ちゃんと」
炯斗が言乃の肩を抱くと、言乃は手を振り払い激しく言った。
「おかしいですッ!普通の人間には聞こえないはずなのに!
今まで…誰一人、」
「わかんね」
炯斗はあっけらかんと言った。
「何でかなんてわかんないさ。でもさ、いいんじゃね?何となく聞こえてもさ」
言乃は「はい?」といった顔で炯斗を見つめ、ゆっくり背筋を伸ばす。
そして、明るい笑顔で
「はい」
と言った。