空耳此方-ソラミミコナタ-
「もう終わりにしましょう?
こんなことしても家族は帰らないですよ」
炯斗ははっとして言乃を見る。
言乃も頷いて言う。
「一件目で亡くなった子です。
実はこの子が後二件の犯人なんです」
「なんだと?」
「反射の光に乗じて運転手をおどかして向かい側の鏡に衝突させ、意図的に鏡のトリックを作り上げたんです」
炯斗はあんぐり口を開けて少年を見る。
「なんつーガキだ…!」
「そして、もう一つ事件を起こそうとしていました」
「?!」