空耳此方-ソラミミコナタ-
「はい。おそらくそうですね」
「んなぁーー!!」
炯斗は頭を抱えて机に突っ伏し叫ぶ。
「おまけになんか声も聞こえるしさ!」
「それはこないだの事故の件もそうじゃないですか」
ガバッと頭を起こし言乃の肩を掴む。
「何で!?俺何にもしてないよ!」
うぅ…怖いです…
炯斗の気迫に押され言乃は若干体を引く。
明後日の方向を向いてとにかくしどろもどろに答える。
「うーん…もとより力はあったんじゃないですか?
幽霊さんにしか聞こえないはずの私の声が聞こえますし」
「そういや、ことのんの声って本当に幽霊にしか聞こえないん?」
炯斗の圧力と手がほどけ、ホッと息をついた。