空耳此方-ソラミミコナタ-

何だかイライラ指数が上がった炯斗に言乃は首を傾げて尋ねた。

【ケイトくん、どうしたんですか?】

炯斗は頭をかいて言乃に耳打ちする。

「ん〜いや。
トシオの奴さ、ことのんの力のこと何か感づいてるんだよな。俺が最初にことのんのこと聞いた時にもチラッとそんなこと言ってたし」

【前に彼らが私に言ってくれたことがあります。危険は少ないだろうが誰かがつけてるって】

“彼ら”というワードには最早突っ込みもせずに炯斗は驚いた。

「マジ?ストーカーまでやってたかアイツ」

「あのー」

【ええ、そこで気づいたのかと】

「なるほどね」

炯斗は納得してうなずいた。

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