何度忘れようとしても
その時、コーヒーカップの横の携帯が突然鳴鳴り出した。

手に取ってみると翔太からの電話だった。

「もしもし?」

「あ、今まずい?かけ直そうか」

カフェの中だからという理由で小声で話す私に翔太は気を使っているようだった。

「大丈夫。今お茶してるとこだから」

「なんだよ、サボリか」

「まあ、そんなとこかな。久しぶりじゃん」

面倒くさいのでズル休みした事は伏せておく事にした。
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