何度忘れようとしても
「例えばこの場合、掛け捨てじゃなくて満期にちゃんと戻ってくるから投資する感覚で保険かけたりとかできるわけ」

「ふうん。それはいいかもね」

翔太はPCを開いて何年後、いくら返ってくるみたいなシュミレーションを私に見せた。
半分冗談、半分本気で私はその話を聞いた。

「お前、本気で入った方がいいって」

「そうだね、ガン保険と・・・入院とか手術のも入ってもいいかな」

本当に入ってもいいかなと思った。
全然考えていなかったわけでもないし、それに多分その時から、私にはよこしまな気持ちがあったのだろう。

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