何度忘れようとしても
果実の甘い香りが部屋中に広がる。

私は翔太の隣りに座り、ソファで2人並ぶかたちになった。

書類を前に保険加入に関する細かい規約みたいな事を読み合わせていく。
時おり難しい言葉を分かりやすく解説しながら翔太は30分位かけて私に説明していった。

私は半分上の空で頷いたり、言われた所に印鑑を押したりしていた。
そんなことよりさっきからずっと、翔太がつけている香水の香りが気になって仕方なかった。



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