何度忘れようとしても
なにその冗談。バカじゃないのとか散々言いながら私は翔太を叩いていた。
するとそのうち翔太は不意に私を抱きしめてきた。

きゅうに例の香水の香りを強く感じてクラっとするのと同時に胸につるような小さい痛みを感じた。

抱きしめられるという久しぶりの感覚と、耳元でドクドク高鳴っている翔太の心臓の音が私の鼓動も早くしていった。

本当になった。私の思い描いていた事。
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