何度忘れようとしても
そう思いながら顔を上げると私を見る翔太の顔があった。
私は翔太の大きめの口元を見つめた。

そして何の戸惑いも無く私たちは多分、10年ぶりくらいのキスをした。

1度顔を離して、また唇を重ねると、そのまま何度も何度も繰り返しキスをした。

「やべえ・・・」

翔太がそう言うので実況中継のようでおかしくて少しだけ笑った。

私は翔太の頬を優しくなでながら自分からキスをした。
翔太の動いていく手の暖かさを服の上から感じながら。
私は翔太のジャケットのボタンを外してYシャツの上から背中に腕をすべらせた。





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