何度忘れようとしても
「井川さんが初ですよ。おめでとう言ってくれたの」

「そうなんだ。」

IDカードでロック解除した扉を、佐伯くんが開けてくれて私達は同時に出社した。

そうか佐伯くんは今日24歳になったのかと思ったら、さっきまでカサカサしていた気持ちがほんの少しだけ和らいだ気がした。

佐伯くんがキラキラして見えた事を思い出しながら、私は急いで駐車場へ向かった。


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