何度忘れようとしても
「なに?」

私は、少しぎょっとして返事をした。

「29日の夜空いてますか?若手で忘年会するんですけど良かったら井川さんも来ませんか?」

藤田ちゃんが人懐っこい感じで言った。
確か彼女は、佐伯くんと同期だから24歳だったと思う。
2部のメンバーは部長以外の5人全員が若い子で構成されていて、いつもとても楽しそうだった。

「私、若手じゃないけど大丈夫?」

私が言うと、みんなは笑った。

「全然まだ若手ですから。一緒に飲みましょうよ」

「ありがとう。では私も参加させてください」
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