何度忘れようとしても
ベッドの揺れと、暖かさを感じる・・・

うっすらと意識が戻っていく中で、後ろからぎゅっと抱きすくめられて私は目を覚ました。
頭の後ろの方からは小さな寝息が聞こえてくる。
その心地よさの中、半分寝ぼけた私はしばらくぼんやりとしていた。

開け放した目の前のベッドルームのドアからはリビングが見える。
自分がスーツを着たまま寝ている事に気づいた時、きゅうに夕べの記憶が戻ってきた。

あぁ、私、佐伯くんと一緒に寝てしまったんだ。




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