何度忘れようとしても
とりあえず、ここから脱出しようと思った私は、そっと佐伯くんの腕をどかして、ベッドから抜け出した。
いつかの会社の休憩室の時のように突然起きたらどうしようかとドキドキしたけど、彼はそのまま気持ち良さそうに眠っていた。

細心の注意を払って、クローゼットから着替えを取り出し、ベッドルームから出てドアを閉めた。
時計は朝の9時を差している。
私はとにかくシャワーを浴びる事にして音を立てないようにそっと、バスルームへと向かった。











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