何度忘れようとしても
幸い二日酔いは無かった。
私はどんなに飲んでいても外では、どこか自分でセーブするように気をつけていた。
だからいつも記憶はしっかりしている。

昨日の事も鮮明に覚えていた。

シャワーを浴びながら、佐伯くんの隣りでずっと感じていた心地よさについて考えていた。
眠る直前のあの幸福感と、そして不思議な懐かしさのような感覚。

でもこれにはきっと意味なんて無くて佐伯くんという思いがけない人と偶然一緒に眠ったという、ちょっとめずらしい思い出になるだけの出来事にすぎないのだろうなぁ・・・

と、私は自分の納得いくところへ気持ちを落とし込んでみたりした。







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