何度忘れようとしても
「佐伯くん、急に泊まっちゃって彼女心配してるんじゃないの?連絡してあげなくて大丈夫?」

と、私が言うと佐伯くんは

「大丈夫ですよ。それよりホントすみません」

と謝った。私は

「気づいたら私ソファで寝てたのよ。佐伯くんベッドを独り占めしちゃってさ。めちゃめちゃ気持ち良さそうに寝てたよ」

と、笑って嘘をついた。そして「ご飯食べれそう?」と聞いた。

「その前に、シャワー浴びたいんですけどいいですか?」

と、佐伯くんはいたってマイペースだったので私は少し気が楽になって彼にバスタオルや歯ブラシなんかを用意してあげた。



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