何度忘れようとしても
佐伯くんを見送った後、2人分の食器を洗いながら彼の事を考えていた。

佐伯くんは今まで出会った人が持っていなかったというか、普通なら大人になる時に置いてきてしまう無邪気さとか素朴さとか純粋さみたいな物をちゃんと持っているのに、それをふだん人前ではあまり見せない人だったんだなぁと思った。

それから眠気が襲ってきたのでベッドに入り、ほのかに残っている佐伯くんのいい香りを感じながら
私は眠りについた。
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