何度忘れようとしても
CHAPTER Ⅷ
次の日から私は実家に帰り、年末年始をほとんど寝て過ごした。

地元に居るのに、不思議と孝昭に会いたいとも思わなかった。

その変わり眠る前には、佐伯くんに抱きしめられた事を思い出し、その度にもう二度とないだろうその体験を懐かしんだりしていた。

そして、いつもだったら憂鬱な仕事始まりの日を冬休みの間中ずっと、待ち遠しく感じていた。

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