何度忘れようとしても
「えー?料理するの?佐伯くん」

「しますよ。でもスープカレーが一番得意ですけど」

佐伯くんは、スープカレーを家で作るという発想の無かった私に作り方を教えてくれた。
でもなんだか耳慣れないスパイスの名前が2つくらい出てきて時間のない私には材料を買いに行く事からすでに、難しく感じてしまった。

「作りたいけど、今の状態じゃ一生無理かも・・・」

と、弱気な発言をすると佐伯くんは少し考えて言った。

「ていうか、今日作りにいきましょうか?この間のお礼もまだだし」

「え、いいの?忙しいんじゃないの?」

私は嬉しかったけれど、それを出さない様にして落ち着いた感じで聞き返した。
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