何度忘れようとしても
「忙しいけど、たまには早く帰りたくないですか?」

佐伯くんは言った。
それもそうだなあと、思った。今年に入ってから私も彼も相変わらず毎日残業をしている。

「それもそうだね。じゃあ作ってもらっちゃおうかなぁ」

私は言った。

スープカレーを食べたいと思っていた事が、思いがけない展開につながった事に思わず感謝しながら。

私たちは会社に戻り、午後は内勤をし、定時とともに会社を出た。


< 170 / 222 >

この作品をシェア

pagetop