何度忘れようとしても
「ゼリーとか、ヨーグルトでしょ?あと、なんだっけチーズが好きって言ってたよね。うどんとかも買っていくね。とりあえず色々買って届けるね。」

「ほんとすみません・・・あ、家分かりますか?」

明るい和泉さんの声を聞いて、なんだか暗い思考で固まっていた頭が働き出していくような感覚だった。

「市民体育館の前って言ってたよね?マンション何号室?」

「502です」

「わかった。そんなに時間かからないで行けるから。サッと届けて帰るからね、寝ててね」

そして電話は切れた。なんだか安心してやっぱり涙がちょっと出てきてしまった。
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