何度忘れようとしても
「俺も一緒ですよ、部長に片付けろって言われてて。だいぶ前からなんですけどね」

「なんだ、そっか。あれ?佐伯くんの棚って私の向かいだったよね、確か。じゃあ、あの汚い所がそうなんだ」

「井川さんの棚には負けますけどね」

私と佐伯くんは笑いながら棚の前へ行き、背中合わせで作業を始めた。
なんだか静かな倉庫で、久しぶりに2人で居るのが照れくさかった。
私は当たり障りなく

「最近、数字どう?」

と、手を動かしながら聞いた。
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