何度忘れようとしても
「しばらくって、何年くらい行くの?」

「分からないですけど、最低5〜6年は・・・会えなくなっちゃう」

そんなに・・・それに会えなくなっちゃうなんて、そんな風に言わないで、と思った。
けど、遅かった。

「そんなに・・・会えないんだ・・・」

私は、佐伯くんの前で泣いていた。

「なんで、行っちゃうの?カレー・・・美味しかったのに。また作ってもらおうと思ったのに、佐伯くんに・・・なんで、酔っぱらって、家に来たりしたの。すごい迷惑」

「あの時は、ごめんなさい。井川さん、泣かないで」

私は、ますます涙が止まらなかった。
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