何度忘れようとしても
私は、朝陽がよく当たるホームの一番隅で電車を待った。

佐伯くんがフランスへ行ってしまってからちょうど3年が経っていた。
時々、今日の様に佐伯くんの夢を見た。

彼の事は私の中で、何度忘れようとしても忘れられない、というよりも、忘れたくないとてもいい思い出になっていた。
今でも思い出す、彼の事を想うときのあの心が洗われていくような感覚。
人を好きになる事が、あんなに心地よくて、あたたかいという事を佐伯くんと出会って私は初めて知った。
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