何度忘れようとしても
そんな過去があっても、何故か翔太とは気まずくなることもなく今まで友達としてやってこれてるのだから、私達は本当に腐れ縁なのかもしれない。

「そんなことより、日南子が大喜びするニュースがあるんだけど」

「え、何よ」

いつになくもったいぶる翔太に、私は何の期待もせず受け答えた。

「俺、実は今、お前んちの側に住んでるんだけど。嬉しいだろ!?」

「嘘っ…マジで?転勤とか?」

翔太は大学を出てから大手の自動車メーカーに就職し、地元で営業マンをしていた。


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