何度忘れようとしても
駅から数分歩くと、飲食店の多い通りに出る。終末の夜はいつも賑わうこの通りは今日も人が多かった。

翔太がメールで送ってきた地図を頼りに細い路地に入ると、そのイタリアンのお店はあった。

マンションの1階にある、まだ新しそうなお店だ。

「オシャレですねー」

「良さそうな感じだね」

翔太のセレクトは、なかなか悪くなさそうだった。

「いらっしゃいませ」

入り口に近づくとウェイターが外まで出てきて出迎えてくれた。

「あの、篠原で予約しているのですが」

「ご案内致します」

店内は内装がおしゃれで、程良くカジュアルな雰囲気だった。

ウェイターに案内された奥の席には、翔太と3人の男の子が既に来て飲んでいた。





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