何度忘れようとしても
翔太はちょっと太ったけど相変わらず独特の色気をなんとなく放っていた。

それは高校生の時から変わらない。
スポーツで鍛えている人が体から放つ独特なオーラみたいなもの。

私は翔太の肩とか背中とかを、授業中に眺めているのが好きだった。

そういえば、いつかのお昼休みに友達とふざける翔太を、いつもの癖で眺めていたら

「お前俺の事好きなんだろ」と、人前でいきなりキスされた事があった。

その時は自覚してなかったけど、本当は前から私は翔太の体に惹かれていて、翔太はそれにずっと気づいていて、だからあの時私を誘ったのかもしれない。

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