何度忘れようとしても
多分、何かが満たされてないからと言おうとした時に料理が運ばれてきた。
凝った盛りつけと、いい匂いに私たちは気を取られた。

「美味しそう」

「いただきまーす」

話はとりあえず、しばらくは料理に集中してしまった。
お昼はベーグルだけだったし私もお腹が空いていた。

「私もそうだよ、毎日があっという間。あれもこれもやらなきゃいけないし」

ふと美智留が話を戻してくれたので、私は言いたかった事を思い出して言った。

「私さ、家に帰ると一人じゃん?なんか色々考えすぎちゃうんだよね将来の事とか。このまま一生一人だったらどうしよう・・・とかすごく不安になる」

「分かる、分かる。私も昔そうだった」

美智留が頷く。



















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