何度忘れようとしても
「実は・・・孝昭としばらく会ってなかったんだけど。友達の結婚式行ったらなんだかすごく会いたくなっちゃって。明日会う約束してるの」

私は、3ヶ月前に孝昭に結婚したいと言って断られた事も美智留に話した。
3年前の孝昭との再会の時も美智留はその場に居たし、それから私たちが時々会っている事も彼女は知っている。

美智留は少し何かを考えてから、

「私はね、日南子の親友としてはやっぱり孝昭との事は反対。それに・・・」

と言って一度私の事を見つめ直してから言った。

「ついこの間、ちょっと用があって孝昭に電話したの。そしたら妙によそよそしいから彼女の家に居るの?って冗談で聞いたら、うん、て言ってた。私、日南子も知ってるのかと思ってて」

「嘘・・・」
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