何度忘れようとしても
「相変わらず、綺麗な車だねえ」

「いや、最近洗車もサボりがちだよ。明るい所でみれば汚いからね」

そうは言っても車内は綺麗だった。
昔は、私を迎えにくる時は必ず洗車をしてきた孝昭。
思い出したらなんだか泣きそうになった。

「あーお腹空いた。どこ行く!?」

わざと元気に言ってみた。

「ヒナちゃんの行きたい所でいいよ」

「えー。どうしよっかなぁ・・・」

私に決めさせたりして、彼女に見つかったりしたら大変じゃないんだろうか?

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