どうしても。
A
「桜井さーん、桜井金蔵さーん、どーぞー」 


「また、あんたかっ、今日も痛くしないでくれよ。」

「はいはい、わかってますよ。今日は右?左?前回は左だったですよね」


「痛くなければどっちでもいいから、早くしてくれよ」

「それじゃ今日は右にしますね」 



ここは私の住んでる市内のなかで一番大きい県立病院。私はそこの検査室の看護師。毎日、毎日 患者さんの血液を採取している。

看護師歴7年。
小関 恋 (おぜきこい)
29歳


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