本と私と魔法使い
「これが契約の証。咲ちゃんは未契約だから黒なんだよ。わたしが、ううん、和泉くんも図書委員の皆もだけど、もし命を落としたらね、みんなの記憶から抜け落ちるの」
「え?」
しゅるってね、と笑って言う。
「なんで…」
「混乱を防ぐためかなぁ…。そうそう、化ケ物になった人の事をを覚えてる人もいないんだよ」
そんな事を、どうして、笑って言うの?
「…だからね、健一くんの気持ちには答えられない」
真っ直ぐに前だけを見つめる千亜に何も言えなかった。
「え?」
しゅるってね、と笑って言う。
「なんで…」
「混乱を防ぐためかなぁ…。そうそう、化ケ物になった人の事をを覚えてる人もいないんだよ」
そんな事を、どうして、笑って言うの?
「…だからね、健一くんの気持ちには答えられない」
真っ直ぐに前だけを見つめる千亜に何も言えなかった。