本と私と魔法使い
アイリスはしゅるんっと風のようになって、本の中に吸い込まれて、消えた。いつの間にか辺りを舞っていた薔薇の花も消えていた。

「どうなってるのよ?ねぇっ!!」

私がしつこく聞くと、彼の手が私の口を塞いだ。
ちょっと!!
言えない代わりに私は彼の胸をたたく。

「黙れ」

冷たい声で一蹴された。
はいはい、黙ればいいんですね…。


「はーい、どうしましたか?岡田先生」

キャラ変わってるじゃない…。
私はびっくりして目を見開く。


「和泉、こっちに和泉咲音は来た…お、ちゃんと来てるじゃない」

ご機嫌そうな岡田ちゃんはこっちに顔を出した。

…って、和泉?!


私は2人の顔を見直した。



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