本と私と魔法使い
終業のチャイムが鳴る。私はあくびをした。

「お、もうか。…小テストを返すぞー、返されたら昼休みな。村木ー、澤田ー…」


数学の小テストを楽しそうに返す先生。

「どうだった?咲ちゃん」

「…愚問ね。千亜、私が出来るとでも?」


私が開き直ったように言うと、

「…和泉くんに教えてもらってるんじゃなかったっけ?」

「私が教えてもらってるのは一学期の内容よ。…追いついてない。」


ちなみに、今は二学期の十月の終盤。
隣から割り込んできた谷村が、


「マイペースで良いんじゃない?…人並みより、何万倍も遅れてても」
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