本と私と魔法使い

「初めまして、和泉さん。僕は和泉春人です。教えるのは不慣れでお役にあまりたてないと思いますがよろしくお願いします」

彼ー和泉は何事もなかったように柔らかく笑った。

そう、まるで爽やかイケメンのように…


…そんなキャラでないでしょう！？
内心ツッコミをいれながら、私は呆れた。
初対面から毒をぶっ放つようなヤツでしょう？！

「彼は、今年度の一年生の中で一番期待されているの。
きっと咲のためになるんだから、ちゃんとしなさいね？」

満足そうに岡田先生は言った。
その隣では、ニコニコと和泉が笑っている。

…ちょっと、
待ちなさいよ…！！

私はもの申そうと前に乗り出した。