本と私と魔法使い
「私、こんな変なとこで勉強とか…無理です」

私はぶんぶん、首を振った。

「はぁ!?変?どの辺が?」

意味が分からない、と岡田先生は首を傾げた。

「え、だってさっき…
っつ!!」

痛っい…っ‼

下を見ると、和泉にぎゅむっと足を踏まれていた。しかも笑顔は変わらずに不気味なことこの上ない。


「どうしたの?」
不思議そうに岡田先生がこっちを見る。

「なんでもないですよ。
そろそろ勉強始めましょうか、和泉さん」

和泉は一見、天使のような純真無垢な笑顔を岡田ちゃんに見せる。私には、言ったら殺すぞ、て悪魔のように言っているようにしか見えないが。

「そう?じゃあ、私は行くわね」


「え、ちょ、待って!!」

ひらひらと手を振って岡田ちゃんは、出ていってしまった。

…二人きりにしないでよ…
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